完全栄養食の製品開発において美味しさと栄養バランスを両立させることは大きな課題です。特に日本国内市場では、高度に「美味しさ」が求められる傾向にあり、これを実現することが製品開発に欠かせません。NAGASEグループの食品素材事業では、市場情報に基づき、お客様が日本国内の消費者ニーズに応えるための製品開発をサポートしています。栄養強化素材のビタミンプレミックスをはじめとしたNAGASEグループの提案をご紹介します。
完全栄養食の定義と現状
完全栄養食は一般的に「健康を維持するために必要な栄養素をすべて含んだ食品や食事のことである」と言われています。一方で、完全栄養食に関する定義は、小売業者やメーカーごとに異なり、一貫した基準が存在していません。明確な業界標準がないため各社が独自の基準を持って製品を開発しています。

日本人の栄養摂取における課題
日本人の栄養摂取状況に目を向けると、特定の栄養素が不足している傾向が見られます。例えば、ビタミン類の摂取不足が一般的で、98%の日本人が推奨される量を摂取していないというレポートがあります。これは、日本の典型的な食事パターンでは必要な栄養素を十分に摂取できない、現代人の忙しい生活スタイルが影響していることによるものと考えられます。


完全栄養食へのニーズ
消費者調査によると、完全栄養食に対する興味は高まっています。特に女性の間でその傾向が顕著で、調査結果によれば、65%を超える消費者が完全栄養食に関心を示しています。


多くの消費者が関心を持ち、試したいと考えているようです。完全栄養食に興味を持つ主な理由としては、健康維持、ダイエット、美容などが挙げられています。

もちろん、女性と男性で求めるものには差があり、ライフスタイルの違いも影響していますが、多くの人々が何らかの効果を期待して完全栄養食に興味を持っていることは明らかです。完全栄養食への消費者ニーズの高まりにより、今後市場の成長が見込まれることを示しています。
「美味しさ」を求める国内市場
日本の完全栄養食市場は、主に食事系と補助系の二つのカテゴリーに分かれており、食事系としては、パン、即席麺、スムージー、カレー、味噌汁などが一般的です。補助系としては、粉末飲料やRTDが市場に多く出回っています。
食事系:パン、パスタ(冷凍含む)、クッキー、調味飯、ラーメン、カレー、味噌汁、スムージー、グラノーラ等
補助系:粉体飲料、RTD、バー、グミ等


これらの製品は、企業サイトなどで「美味しさ」が重要なポイントとして強調されています。製品開発においては、美味しさと栄養バランスの両立が重視され、消費者のニーズに応えることが期待されています。
一方、海外市場の完全栄養食は、基本的な栄養バランスに加え、免疫補助、代謝補助、疲労軽減などのプラスアルファを訴求しているのが特徴です。また、粉体飲料、RTD、ニュートリションバーが中心で剤形は限定的です。

NAGASEグループの提案素材
NAGASEグループは、栄養強化、味質、食感改善につながるニュートリション素材や酵素製品などの食品素材を幅広く提案しており、美味しさと栄養バランスを兼ねた完全栄養食の開発において幅広い課題に対応できます。
栄養強化
・ビタミンプレミックス:食事摂取基準2020年度版準拠品、テーラーメード品
・アスコフレッシュ®:これまで組合わせにくかった素材とのコラボレーションが可能になる安定型ビタミンC
・ビタミン:水溶性、脂溶性ビタミン
・プロテイン:植物性たんぱく(大豆たんぱく)、動物性たんぱく
酵素
・デナベイクRICH®:製菓、製パンの品質向上と卵の使用量を削減できる酵素
・デナチーム™ LEP 10P:素材の風味を引き出す酵素
味質改善
・トレハ®:でん粉から作られた多機能糖質トレハロース
・ナリンビッド®:シャープな苦みで鮮やかに際立つ本格感。柑橘由来の味質改善素材
食物繊維
・ファイバリクサ®:機能性表示食品の開発に。色や味を邪魔しない水溶性食物繊維
・テトラリング:使い心地ストレスフリー 手軽に使える食物繊維素材

NAGASEグループの食品素材事業
NAGASEグループの食品素材事業はナガセケムテックス株式会社の酵素販売からスタートしました。その後、ナガセヴィータ株式会社(旧株式会社林原)の機能性糖質を加え、2019年にはビタミン、アミノ酸の取り扱い・配合ノウハウに強みを持つ米国Prinova社を買収し、グローバル展開を強化してきました。
グループの総合力を活かしてお客様の素材調達から品質改善のご提案、海外ビジネスの法規対応まで、お客様の食品ビジネスを全面的にサポートいたします。

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